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更新日: 2024年3月4日

令和6年3月 定例議会

令和6年度施政方針
令和6年3月

 

はじめに

まず、今年1月1日に発生した能登半島地震により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げ、被災されたすべての方々にお見舞い申し上げます。被災地の皆様の生活が1日も早く復旧・復興することを心よりお祈り申し上げ、市民とともに、被災地に心寄り添った応援を行っていく所存です。

それでは、令和6年度の市政運営に関する私の基本的な考え方を説明します。

地方を取り巻く環境を見ると、少子高齢化や人口減少の不安が、年々大きく広がってきています。社会保障で膨らむ負担、慢性化する働き手不足、さらに、地域コミュニティの担い手不足なども顕著な課題となっています。

自治体経営においても、ヒト・モノ・カネの不足に直面し、多様な市民ニーズへの対応、自然災害への備えや老朽化している公共施設の更新など、より一層のビルド&スクラップ、すなわち、必要な事業を見極め、それを実施するための事業整理を同時に行っていく必要性を強く感じているところです。

そうした中で、令和6年度は変革の一年と位置付け、これまでの自治体運営のあり様を抜本的に見直す取り組みを本格化していきます。

持続可能な自治体経営のために、自治体DXによるシステムの全国標準化を国の工程に沿って進め、コア・ノンコア業務の分類、新しい技術による効率化、市民課窓口業務で始めているフロントヤードの民間委託化を進め、職員でなければならない業務に、限られた職員の適正配置を目指します。

さらに、老朽化していたものの、取り組みが遅れていた体育館、学校給食センター、三井消防署の3施設の建て替えについては、緊急財政対策計画の成果である積み上げた基金などを活用し着実に進めます。

一方、コストコ小郡倉庫店の開業で、これまでにない交流人口が生まれます。この絶好のチャンスを、商業観光振興や移住定住促進、市の発展に市民とともに生かしていきます。

本市の市制施行50年あまりの発展の歩みを振り返ると、高い交通利便性により北部住宅地の開発を行い、3万人の人口が倍増するベッドタウンとしての発展を遂げてきました。

本市が、今年を境に、住居・雇用・にぎわいがあり、子育てにふさわしいコンパクト拠点都市として、持続可能なまちに進化する、人口減少の不安から解き放たれた、明るい将来のまちづくりを描いていきます。

令和6年度の主な施策

続いて、令和6年度の主な施策について、概要を説明します。

1.治水・災害対策

1点目は、治水・災害対策です。

本市においては、平成30年以降頻発している豪雨による道路冠水や住宅浸水などの被害の経験から、実効性が高い治水対策の早期実現を図ってきました。

引き続き、「内水氾濫の治水対策」と「浸水被害の減災対策」のため、宝満川の支流を含め、流域治水の考えに基づきハード・ソフト一体的に展開していきます。

令和6年度は、県営ため池等整備事業で、柿添堤の改修工事に向けた基本設計と事業計画概要書作成、上田町堤の改修工事に着手します。貯水能力向上のため、築地川排水区域にある山添堤や内畑堤の堆積土砂の撤去を行います。さらに、「防災重点農業用ため池の地震耐性評価業務」に着手し、地震に対する安全性の評価から防災工事の必要性を判断します。

また、その場に降った雨を一時貯留し流出調整するオンサイト貯留施設を、今後既存の公共施設に整備し、更なる浸水被害の軽減を図ります。令和6年度は、七夕グラウンドと小郡中学校で「貯留施設築造工事」に、さらに、小郡小学校と大原中学校では「雨水貯留施設調査設計」に着手します。

河川治水対策では、令和4年度策定「鎗巻川・石原川流域治水事業基本計画」に基づき、河川改修事業に取り組みます。また、開発等に伴い利用されなくなった農業用ため池の「大板井堤」を、調整池へと転換するための調査検討を行います。

新たに、水田が持つ貯水機能を活用して、大雨の際に雨水を一時的に貯水し、ゆっくり排水することで、下流域の浸水被害を軽減する「田んぼダム」のモデル事業に取り組みます。

能登半島地震では、大規模な地震災害への備えの重要性が浮き彫りとなりました。本市においても、福岡市の沿岸部から筑紫野市の南部に至る「警固断層(東南部)」を震源とする地震を想定した対策の更なる充実が必要です。

現在、被災地支援として石川県穴水町に職員を派遣しており、今後も引き続き職員を派遣していくことにしています。

これら、派遣した職員が支援活動の中で得た被災自治体の実情や被災現場で体感したものを整理し、さらに、今後被災自治体の現地の調査活動を行い、初動対応や関係機関との連携、避難所運営などを学ぶことで、本市の課題を洗い出し、その対策を地域防災計画や関連する各種計画、マニュアルに反映させ、大規模地震を想定した訓練等の実施につなげていきます。

2.カーボンニュートラルの推進

2点目に、カーボンニュートラルの推進についてです。

本市は、脱炭素社会の実現に向けて更なる取組の強化を図るため、「小郡市ゼロカーボンシティ宣言」を表明し、「2050年カーボンニュートラル」に向けた地球温暖化対策を推進しています。

この目標を達成するため、市民や事業者、行政が一丸となって、「地域温暖化対策ビジョン」や「エコ・オフィスおごおり」の考えに基づいた日常生活や事業活動等での温室効果ガス削減や、ごみの減量化・再資源化の取組を一層強化していくとともに、公共施設の防災対応型太陽光発電システムの活用や照明機器のLED化、EV公用車の導入、公用地の刈草の堆肥化やフードドライブの取組を進めていきます。

さらに、新たな温室効果ガス排出削減策として、公共施設へのEV等充電設備の設置を検討していくほか、コカ・コーラボトラーズジャパンと連携して、家庭から排出される使用済みペットボトルを、新たな飲料用ペットボトルにリサイクルする「ボトルtoボトル」、ペットボトルの水平リサイクルに取り組みます。

3.官民連携とDXの推進

3点目に、官民連携とDXの推進です。

まず、民間との連携事業である青少年人材育成事業「小郡寺子屋」では、予測困難な社会の状況の中で自らの「夢」を「志」に変えるため、10歳から15歳の子どもたちが地域の経営者を始め先人に学んでいます。

1期の卒塾生から、小郡ロータリークラブの推薦により、今年海外留学が決まるなど、成果が表れています。今後も地域や民間の支援者と連携して、子どもたちが「志」をもって目標にチャレンジできる学びの場を提供します。

次にDXの推進についてです。

国のデジタル田園都市国家構想交付金を活用し、次の事業に取り組みます。

まず、公共施設予約のオンライン化です。公共施設の予約管理業務を、紙媒体からデジタル化し、事前に施設に行かなくても手続ができるようにします。あわせて、施設使用料のオンライン決済導入や予約状況の公開を充実することで、利用者の利便性の向上や予約管理業務の効率化を図ります。

次に、スマートフォンを活用した情報配信や手続の推進です。現在、市の情報発信は、広報紙や市のホームページ、SNSなどで、網羅的に情報を配信しています。このうち、SNSの中で普及率の高いLINEにおいて、子育てや観光などの興味・関心のある分野や居住地域、年代といった属性を登録いただくことで、必要な情報を絞って届けることができるセグメント配信を始めます。

また、議会へのタブレット端末の導入を進め、議案等のペーパーレス化と事務の効率化を図ります。

4.子どもと家庭の支援強化

4点目に、子どもと家庭の支援強化についてです。

子どもや保護者の悩みや困りごとなどを、より身近に相談できるよう、子どもに関する総合窓口を一元化するとともに、子ども関係部署を総合保健福祉センターあすてらすに集約し、こどもまんなか政策推進拠点とします。

また、国は令和8年度に全自治体で「こども誰でも通園制度(仮称)」を実施する計画で、本市でも実施に向けた準備、検討を進めていきます。依然として高い保育ニーズに対応するため、三国幼稚園跡地の保育施設への活用と保育士確保の取組や保育施設の増築などを進めていきます。

さらに、医療・福祉の両面に通じた医療的ケア児等コーディネーターを配置し、医療や福祉サービスなどの利用に係る助言や調整、家族への相談支援や関係機関との連絡調整などを行う体制を整備します。これにより、人工呼吸器の装着など日常的に医療的ケアを必要とする重症心身障がい児や障がい者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう支援します。

5.物価高騰対策

5点目に、物価高騰対策についてです。

地方創生臨時交付金を活用し、プレミアム付き商品券発行事業や学校、保育所等の給食費支援に取り組みます。

小郡市商工会が発行しているプレミアム付き商品券について、市内店舗での消費を喚起し、物価高騰の影響を受けている事業者や大規模店出店の影響が懸念される小規模事業者を支援するため、発行額3億円、コロナ禍から4年間実施してきたプレミアム率20%を、30%に拡充します。

また、学校や保育所等の給食の食材費の高騰などに対応し、安全で美味しい、栄養バランスのとれた給食の提供を行うため、給食費の支援を行います。

学校においては、給食費の増額改定を令和6年度から実施しますが、給食費の増額改定分を補助することで、子育て世帯の負担を抑えます。

6.インター周辺の新しいまちづくり

6点目に、インター周辺の新しいまちづくりについてです。

令和5年度は、筑後小郡インターチェンジ周辺まちづくり構想実現に向け、組織横断的な庁内プロジェクトチームにおいて、コストコ小郡倉庫店の出店計画に取り組みました。開発による交通対策として、地元立石校区区長会を窓口に、通学路の安全対策を中心とした課題を共有し、合意形成を図りながら対策を講じていくという動きを構築することができました。

令和6年度は、地域課題である人口減少・少子高齢化対策として、甘木鉄道沿線や立石小・中学校周辺を対象に、住宅開発に向けたサウンディング調査をもとに、地域の特性に応じた新たな住民の受け皿づくりを推進します。

また、構想の実現に向け、それぞれのゾーニングにおける計画的な土地利用の推進や、道路整備や治水などの視点も踏まえ、持続的発展に向けた新たなまちづくりに取り組んでいきます。

九州自動車道の小郡鳥栖南スマートインターチェンジは、鳥栖JCTと久留米ICの間に位置し、開通は今年6月〜7月ごろの見込みです。また、国道3号と県道久留米小郡線を結ぶ、県道鳥栖朝倉線(スマートICアクセス道路)は、3月17日に開通します。

小郡鳥栖南スマートインターチェンジにおける「インター周辺まちづくり構想」では、周辺地域に求められる役割や課題を抽出し、まちづくりの基本的方向性を示しています。小郡鳥栖南スマートインターチェンジが供用開始された後、当該区域は、交通利便性が高まることから、地域の方々も地域の活性化について大きな期待をされているものと認識しています。今後「治水対策及び土地利用に伴う排水処理計画」に基づく治水対策を踏まえた課題解決策を具体的に検討し、産業系土地利用の実現に向けて周辺地区への企業の誘導や雇用の場づくりなどを推進します。

7.移住・定住促進対策

7点目に、移住・定住促進対策についてです。

市街化調整区域における既存集落の維持・活性化を図るため、都市計画法第34条第11号、第12号の区域指定を行って、第三者でも戸建て住宅や生活利便施設等の建築が可能となる取組を行っています。

人口減少と高齢化が著しい地域で「空家の再生」や「子育て世帯の移住・定住」を促進する民間の動きを活発化させる呼び水となるような新たな対策を検討していきます。

8.人権侵害対策とハラスメント対応

8点目に、人権侵害対策とハラスメント対応についてです。

本市では、「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」や「小郡市部落差別撤廃・人権擁護に関する条例」に基づき、あらゆる差別をなくし、市民一人ひとりの人権が保障される「人権のまち・小郡」の実現に向けた取組を行っています。

しかしながら、部落差別を始めとする様々な差別は、依然としてなくなっていません。近年では、特にインターネットを用いた人権侵害も深刻化しています。

こうした背景を踏まえ、同和問題を始めとする様々な人権問題に関する市民の人権意識について調査を行い、その現状把握及び分析を行うことで課題を明らかにし、人権・同和問題解決に向けたより効果的な教育・啓発につなげていきます。

また、本市が抱える様々なハラスメントの課題に対して、有識者で構成する「ハラスメント対策検討委員会」の答申を踏まえ、市役所の職場のみならず、市民とともに、ハラスメントのないまちづくりを目指します。

9.「未来を拓く力」を育む学校教育の充実

9点目に、「未来を拓く力」を育む学校教育の充実についてです。

まず、学校教育においては、子どもたちや教職員がスムーズにICT機器を活用できるよう、ICT支援員を配置します。GIGAスクール運営支援センターの活用により、学校現場のタブレット端末の活用のサポートに取り組み、ICTを活用した子どもの学びが充実するよう支援します。

個々の子どもへの支援については、様々な困難さを抱える子どもたちが安心して学校生活を送る環境を整え、個々の状況に応じ必要な支援につなげるため、令和6年度中の校内教育支援センターの設置に向けて検討します。

小中一貫教育の実施については、小郡市小中一貫教育校で、立石小・中学校の特色を生かした小中一貫カリキュラムを地域と連携して進め、9年間一貫教育をモデルとして推進します。

中学校区での合同行事の開催や交流活動、専科教員による授業等を充実させ、小中学校の協働体制の構築を支援し、その取組を市内の小・中学校へ展開することを目指します。

教務・校務運営の効率化を図るため、統合型校務支援システムを機能させ、教職員の負担軽減を図るとともに、子どもたちの情報の一元化、進学時の情報引継ぎ等の円滑化を図ります。また、そのための職種・役職ごとの代表者から構成する委員会を設け、運用ルールの統一を図ります。

10.公共施設マネジメントへの挑戦と財源の確保

10点目に、公共施設マネジメントへの挑戦と財源の確保についてです。

令和5年3月に策定の「小郡市新体育館建設基本計画改定版」を踏まえて、令和5年度に新体育館全体の基本設計、アリーナ棟建設に伴う実施設計と工事監理業務を実施する事業者を公募型プロポーザル方式にて選定しています。令和6年度は、新体育館の敷地全体の基本設計業務に取り組む計画です。

小郡市学校給食センター整備運営事業については事業者を決定し、今まで以上に安心・安全な学校給食を提供できる施設の整備運営業務に取り組みます。

久留米広域消防本部により令和4年度から進められている三井消防署の建て替えについては、令和6年度からは第1期工事に入ります。

火災・救急の対応のみならず、大規模災害時の緊急消防援助隊拠点施設や消防団・自主防災組織等の訓練・研修施設、資機材の備蓄倉庫等の機能を有する庁舎整備により、消防防災体制の充実強化を図ります。

市庁舎の整備について、老朽化による建て替えを検討するとともに、省エネや防災、新たなデジタル化の進展に対応する市役所機能や、PPP/PFI手法を含めた整備方法を調査・研究していきます。

ふるさと納税については、専門的な知識・ノウハウを持った民間企業に委託し、しっかりとした市場トレンドなどの分析に基づくマーケティング戦略・魅力的な返礼品づくり・デザイン制作などを展開し、寄附額の増加を図るとともに、ふるさと納税を活用した小郡市のPRにより、関係人口の創出・拡大につなげていきます。

11.働き方改革・職場づくりと人材確保

11点目に、働き方改革・職場づくりと人材確保についてです。

縦割りの業務体制による弊害を解消するとともに、多様化する行政課題に機動的に対応し、横断的かつ弾力的な業務体制を構築するため、係制から担当制への移行に向けトライアルを実施します。

また、人口減少社会の中、民間企業を含めた人材確保競争に対抗するとともに、職員の年齢構成の不均衡の解消と行政の高度化・多様化・国際化などの変化に的確に対応するため、これまで秋に年1回実施していた職員採用試験に加えて、春期にも職員採用試験を実施することで、民間企業等経験者や大学等新規卒業者の早期確保に取り組みます。

さらに、公務に有用な専門的知識や経験等を有する者を、一定の期間、特に必要とされる業務に従事させるため、任期付職員制度を導入します。

おわりに

冒頭にも述べたとおり地方を取り巻く環境は楽観視できない状況にあり、本市も決して例外ではありません。

しかし、令和6年度は、小郡市においてはヒト・モノが力強く動き、その変化の胎動が見える形に現れている一年となります。これを変革の好機ととらえて、必ずや新たな成長をつかみ取り、今まで培ってきた発展の上に、未来に向けてさらに輝ける小郡市を市民の皆様と目指していきます。

以上、市政運営に臨む私の所信の一端と令和6年度の当初予算について主な施策を中心にその概要を申し上げました。

市民の皆様の御理解・御支援をお願い申し上げ、私の施政方針といたします。


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