健康・福祉

更新日: 2020年5月14日

小郡市長メッセージ(臨時議会での発言より抜粋、5月14日)

 小郡市では、2年連続の豪雨による自然災害被害に見舞われました。災害対応は、あとで振り返れば、こうすれば良かったという反省、教訓ばかりですが、地域の力、市民の一体感が試されると思います。

 今回の新型コロナウイルス感染症について考えると、世界がその猛威に晒される、まさに大災害級の出来事であり、世界中の生活が一変させられました。あらためて、人のつながりの大切さを感じるとともに、市民が分断されないように、こころひとつにして、協力しあうことに全力をあげることが必要であると感じております。

 新型コロナウイルス感染症対策について、政府や福岡県から「緊急事態宣言・措置」が先月7日に発出され、福岡県が、重点的に感染拡大防止に向けた取り組みが必要な「特定警戒都道府県」に
16日指定され、5月4日に緊急事態宣言が延長されました。

 本市においては、広報おごおりやホームページ、さまざまなSNS、連休の期間は、市内広報車の巡回や防災行政無線を通じて、外出自粛と感染防止のご協力を繰り返しお願いしました。
 
 福岡県内は、新規感染者数が減少に転じ、感染爆発の懸念は乏しいことから、緊急事態宣言の解除対象となることが検討されるところまできています。
 
 本市では、緊急事態宣言を受け、4月8日、市民の皆様に「市長メッセージ」を発信し、人と人との接触機会を減らす外出の自粛、イベント開催等の自粛、集団感染リスクを高める三密=密閉空間、密集場所、密接場面の回避、手洗いや咳エチケットの励行などのご協力を要請しました。

 市内では、4月12日に感染者が確認されましたが大事に至らず、市民の皆様のご協力により、あらゆる人の人権を守りながら、感染拡大の防止対策を確実に進めることができていることに、心から感謝申し上げます。

 市民の皆様の生命と健康を守り、市内の感染拡大の防止を図りながら、市民生活や経済活動を守るための対策を講じることは、災害発生と同等の最重要かつ最優先の課題であると認識をしてきています。

 緊急事態の発生に、スピード感をもって、適確に、市役所全部署が対応していけるように対策本部を立ち上げ、刻々と変わる国や県の方針や対策の分析、市内の情報収集と対策検討を行ってきました。
 
 長期に渡る感染防止対策は、市民生活ばかりでなく、中小零細事業者の経営や雇用にも大きな影響を及ぼしています。
 
 まずは、スピード感をもって、市独自の経済対策を打ち出す必要があることから、4月17日に財政調整基金の取り崩しによる、市独自の事業者応援金の方針を打ち出し、5月4日の緊急事態宣言の延長を受け、さらに拡充した事業者支援を行う必要があると判断したため、今議会において補正予算に計上させていただいています。

 緊急事態宣言以降は、市と商工会の事務局レベルでの定例会議を開催し、商工会や金融機関などへのヒアリングを私自身も直接行い、市内事業者の現状やそれぞれの取り組みの情報交換、さらには、事業者支援に関する協議を行っています。

 市内事業者の売り上げの減少や、経営状態が急激に悪化している現状について、危機感を共有してまいりましたが、休業や営業自粛による経営へのさらなる打撃が深刻化していると認識しています。

 そうした中、前年度よりも収益が一定割合減少した事業者に対し、貸付限度額3千万円で無利子・保証金なし、元本返済据え置き5年という融資が、金融機関などですでに行われ、さらに、5月1日から国の持続化給付金、2日からは福岡県の持続化緊急支援金の申請受付が始まりました。この手続きはインターネットによる申請しか受け付けておらず、コールセンターが非常に繋がりにくいため、市や商工会に問い合わせが殺到する状況となっています。
 
 このことから、商工会との相談窓口に対して、専門家の配置を検討するなど、早期に相談窓口の案内と相談予約受付業務の拡充支援を図ってまいります。
 
 その他の経済支援として、商工会とのコラボ企画「おごおりエール飯」による市内飲食店のテイクアウト・デリバリーの支援を行っています。現在、市内のエール飯登録店舗数は64店舗ほどになりました。商業活性化協議会のご協力もあり、5月15日号の広報おごおりの表紙および特集記事や、90本ののぼり旗によるPRを行い、さらに支援の輪を広げていきたいと考えています。

 市民への生活支援となる国の「特別定額給付金」については、マイナンバーによる申請の方には、本日14日から給付を開始し、郵送は、明日15日申請書発送、返送いただいた後、給付は下旬から、また「子育て世帯への臨時特別給付金」についても6月初旬の給付に向け、全庁的な応援体制で、早期給付に取り組んでいます。
 
 さて、長期の小中学校の休校が始まったのは、2月27日の安倍総理の突然の休校要請からでした。その夜から教育委員会、学校、学童保育と協議し、迅速に、翌週3月2日からの休校措置を取りました。
 
 それから長期にわたる臨時休校では、学年ごとなど分散した登校日を設け、児童生徒の学習や健康、生活状況を、直接児童生徒の顔を見ながら把握することに努め、家庭での見守りが困難なお子さんには、学校や教育委員会での見守りの受け皿も作ってきました。
 
 また、学童保育所の運営では、「NPO法人学童保育おごおり」の皆様に、休校中の長期間、長時間にわたり、温かく見守りの体制を作っていただいています。
 
 これまでは各学校の保護者組織だったのを、ひとつのNPOとして統合した組織が、昨年度立ち上げられたからこそ、行政との連携による迅速な対応ができたと思います。
 
 さらに、市内感染者の防止と集団感染発生予防の観点から、市立幼稚園や小中学校の休校措置に加え、保育園の登園自粛のお願いも行ってきています。

 市主催イベントの中止・延期、公共施設の利用停止、来庁者への感染予防対策等を、早め早めに方針を出し、実施してまいりました。

 感染予防対策の2万枚以上のマスクの配布を、医師会・歯科医師会・薬剤師会・介護施設・福祉施設・保育協会・学童保育所などへ行いました。

 感染拡大の緊張が高まった中では、保健所に電話してもつながらない、自宅待機で様子を見てくださいと指示されても、発熱があり不安、感染が疑われる症状があっても、どうしていいかわからないという、市民の切実な声を受けました。小郡三井医師会にご協力を要請し、県内でもあまり例のない、かかりつけ医による電話相談体制を取っていただくようになりました。身近な医師に寄り添っていただき、受診の必要性や受診方法など相談に応じていただけることは、今後も市民にとり、不安を解消、軽減することにつながると考えています。

 そして、ご協力いただいている感染症関連の医療機関に対する支援を、この議会でお諮りしています。医師会と協議を行い、通院患者からの感染防止に役立つ、医師を守り、病院がクラスター化しないための医療専用空気清浄機の貸与です。今後の感染拡大再発などでも力を発揮するものと確信しております。
 
また、自粛生活が長くなることで、家庭内で行き場のないストレスが高まっていることや、高齢者の健康問題なども心配されます。それぞれの事情を抱えておられる方々としっかり寄り添いながら、様々な相談に対応できるよう努めています。
 
 その一つとして、高齢者の健康・生活不安には、介護施設からや、民生委員からのアプローチに加え、職員が直接電話で安否をたずねる「もしもしコール」を始めています。
 
 収入が減り、生計が苦しくなった場合の、生活福祉貸付資金制度の緊急小口資金や総合支援資金による無利子、保証人不要の貸し付けや、収入が減って家賃が払えない方のための住宅確保給付金を、社会福祉協議会と連携しながら進めています。今後も、市民の生活維持にしっかりと寄り添ってまいります。
 
 すでに、さらなる追加支援策の検討を全庁的に進めることを指示しているところです。
 
 具体的には、現在、政府で家賃の支払いが困難になった事業者への支援策が検討されています。売上額が減少した事業者を対象に、支払った家賃の3分の2相当を国が半年分給付するもので、給付上限額は、中小・小規模事業者が月50万円、個人事業主が月25万円となっています。この家賃支援への市独自の上乗せについて、制度設計を検討しています。
 
 また、緊急事態宣言等の影響により、企業等から雇用契約を打ち切られた方や就職内定を取り消された方など、働く場を失った方々に対する緊急的な雇用創出事業についても鋭意検討を進めている段階です。

 また、累積赤字解消を優先してきた国民健康保険で、赤字解消が実現できたことから国保の減免措置や、就学援助制度利用の小中学生がいるご家庭世帯への支援、生活福祉資金特例貸付を利用された方に対し、障がい者関係団体の活動支援と組み合わせた、食材の無料提供なども検討しています。
 
 現在、本市においては、緊急財政対策計画を、議会の皆様と進めているところであり、財政状況は依然大変厳しい中ではあります。しかし、今後もさらに、この緊急性と重大性に鑑み、職員が一丸となって、市民生活や市内事業者の状況をしっかりとらえながら、第3弾、第4弾となる、さらなる追加支援を検討してまいります。
 
 さて、福岡県においては、休業要請の緩和措置など、次第に元の日常生活に戻る道筋が示される状況が出てきています。しかしながら、それは一度に元の生活状態に戻ることは期待できず、当面は、やはりこの厳しい感染対策を前提とした国が提唱する「新しい生活様式」を基に、暮らし方を模索していかなければなりません。

 学校の再開については、すでに、県教育委員会の方針に対応できるよう、各小中学校での分散登校の編成や、夏休み短縮の日程など準備を進めています。
 
 文化会館、生涯学習センター、図書館、コミュニティセンターなど、緊急事態宣言解除後の各公共施設の利用のあり方についても、県の方針を見ながら、すぐに検討をすることにしております。
 
 今後、避けられないともいわれる第2波、第3波といわれる感染拡大期など、中長期の対策を前提にしなければなりません。これまでの取り組みの中で、まだまだ不十分な部分やご不満な点もあるかと思いますが、スピード感をもって、市としてできること、やるべきことを着実に実行し、市民の皆様と心をつなげて、この未曾有の緊急事態を乗り越えてまいりたいと考えております。

   令和2年5月14日
   小郡市長 加地良光


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