鴨のまちプロジェクト
さまざまなアプローチで「小郡といえば鴨」「鴨のまち小郡」を発信し、本プロジェクトを通して、地域で受け継がれ根付いている伝統的な食文化を継承するとともに、市で取り扱う鴨に対して共感性や価値を最大限に高め、独自の付加価値を創造することを目指します。
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なぜ小郡は「鴨のまち」?
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9月ごろを過ぎると、鴨は寒さを避け、北国から渡ってきます。小郡市の三国地区は鴨の飛来地として知られ、江戸時代には狩猟を行っていた記録が、昭和時代には大人も子どもも鴨を食べていた伝承が残っています。
なぜ鴨は小郡に飛来したのでしょうか。現在の大きな住宅団地が開発される前、三国地区は雑木林が生い茂り、多くの沼や沢が散在し、人もあまり住んでいませんでした。この静かな環境は鴨が安心して暮らすのに最適だったようです。また、昔から農業が盛んな小郡では、農業用水として多くのため池を作っていました。ため池は鴨にとって、餌を採食しやすく、休息場所でもありました。
北国からやってきた鴨は、4月ごろまで、日中は三国地区の深田で生活します。毎朝未明に有明海から筑後川に沿って上空を飛び、三国地区の深田やため池に着きます。ここで終日、群れ遊んでいました。そして夕方に近づくと、有明海へと移動しました。近年は土地利用の変化により鴨の飛来が減少し、次第に食卓から鴨の姿も消え、知る人もわずかとなってしまいました。
しかし、今でも冬のため池や宝満川では、鴨がゆったりと泳ぐ景色が見られます。夕日に照らされたこの美しい情景、そしてそれにまつわる歴史や文化は、小郡ならではのものです 。
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小郡と鴨の関わり~近世・近代~
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明治4年(1871年)の廃藩置県まで鶴・雁・鴨は久留米藩主が専有し、猟は許可された者だけが許されていました。一般の村人たちは鴨を鉄砲で撃つことはもちろん、網で鴨を捕ることも固く禁じられていたのです。
安政4年(1857年)に記された古文書(井上・黒岩家文書)によると、久留米藩が秋成物・夏成物に加え、小物成(雑税)として、魚貝類や藍・紅花など他の藩内特産物と同様に、鴨も税金の対象にしたことがうかがえます。
※秋成物・夏成物…江戸時代、各時期に納めていた田の年貢のこと。
特に鴨の捕獲は許可制で、毎年五百〜七百羽前後の「御用鴨」を現物と代銀(代価)として藩に差し出させていたことが分かります。
久留米藩家老の日記にも「鴨」は登場しており、雌雄一番(ひとつがい)の鴨が最高の贈り物とされていたことや、鴨が藩の季節の贈り物であったことなどが記されています。鴨の献上は、近代にも受け継がれています。
明治44年(1911年)の陸軍大演習で久留米へ赴いた明治天皇に、三国村の鴨料理(焼き鳥)を提供したという記録があります。また、大正5年(1916年)の久留米大演習では、大正天皇にも生鴨を献上しています。
廃藩置県で、三国村にある御猟場は廃止されました。しかし、明治34年(1901年)、狩猟法が制定されたため、江戸時代から猟法を受け継いできた村人たちは、鴨が飛来する池や湿地を「共同狩猟地」として農林大臣に申請し、許可を受けて猟場の保持に努めました。それは、現在にもつながっています。
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小郡市の鴨猟「伝統の無双網猟」
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毎年、猟期(11月15日〜2月15日)になると、江戸時代から続く伝統の「無双(むそう)網猟」が行われています。
幅約2.5メートル、長さ約14メートルの横長の大きな網で、ため池や深田などにまいた餌(青米)のそばに網を設置します。鴨が来たときに遠くから針金で手綱を引っ張り、網が広がり鴨に覆いかぶさる、という仕掛けです。- 猟ができる数は、毎年上限があります
【青米】
何日もかけて青米を撒き、鴨を餌付けし、次第におびき寄せます。
猟を模した様子を動画(外部リンク)でご覧いただけます。
200メートルも離れたカモトヤ(見張り小屋)から様子をうかがいます。
鴨は警戒心がとても強く、ちょっとした物音や光、人の気配などに気づくと逃げてしまうので、夕方のうちに山に入り、200メートルほど離れたカモトヤ(畳一畳もないほどの見張り小屋)の中で、音を立てずに鴨の様子をうかがいます。
真冬の凍てつく寒さの早朝6時。カモトヤで息を潜めてじっと機会を待ち、いよいよ網被せ。鴨が餌を求めて餌場に上がってくるときに、一気に手綱を引きます。わずか1秒、一瞬で捕獲します。
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小郡の鴨を取り巻く食文化
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地元では昔から、甘辛い醤油につけたたれ焼きや、鴨ごはんが食されてきました。
程よい食感があり、野性味と奥深い旨味があります。
小郡の鴨は陸ガモと言われ、青米などの穀物をたっぷり食べていることから、コクがありまろやかで、臭みがないのが特徴です。
そんな「小郡の鴨を取り巻く食文化」は、令和4年3月に世代を超えて受け継がれ、長く地域で愛されてきた食文化として、文化庁の「100年フード」に認定されました。
文化庁「100年フード」サイト(外部リンク)
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鴨にまつわるエピソード
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小郡市には、鴨にまつわるエピソードが多数あります。
■市章(昭和34年制定)の由来は「鴨」
この市章は、鴨にちなんで鳥の形に、漢字の小郡の「小」を図案化したものです。円満を意味する円と、小円の中心から末広がりになった▲(円すい)は財政の発展を、市の中心部の発展をしっかりと抱え込んで、市民の盛り上がる力を意図しています。
(参考ページ)小郡市徽章(内部リンク )
■小郡音頭にも鴨が登場
地元の祭りの風物詩といえば盆踊り。その一つの「小郡音頭」の歌詞にも鴨が登場しています。【小郡音頭】(三番)
とんでくるくる有明鴨が
ねぐら慕うて三沢池に
浮ぶボートに花吹雪 ソレ
小郡りゃ よかとこ
みんなの町よ
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おごおり鴨map
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小郡と鴨の関わりや、食文化、鴨猟、天然鴨料理・合鴨料理を提供する店などを紹介するガイドブックを作成しました。
p0-7 全体版 (PDF:4,157KB) p0 表紙 (PDF:30,072KB) p1 小郡って鴨のまち? (PDF:25,987KB) p2 古文書にみる”小郡と鴨” (PDF:4,236KB) p3 伝統の”無双網猟” (PDF:5,792KB) p4 天然鴨料理の店 (PDF:6,238KB) p5 あい鴨料理を提供する店 (PDF:5,022KB) p6 店舗map (PDF:1,529KB) p7 鴨にまつわるエピソード (PDF:4,001KB)
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新しくておいしい鴨料理レシピ公開
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令和5年度に(一社)小郡市観光協会と小郡市地域活性化起業人が中心となって行った、文化庁の「令和5年度 食でつながる日本の文化認定事業」。
鴨のまち小郡の食文化を普及する取り組みのひとつとして、「新しくておいしい鴨料理レシピ集」が完成しました。レシピの種類は3つで、家庭向け、飲食店向け、イベント向けと、さまざまなシーンで活用できるものになっています。
商工観光課や(一社)小郡市観光協会でレシピを配布しているので、ぜひご覧ください。問合せ先
(一社)小郡市観光協会
電話 0942-72-4008
ホームページ(外部リンク)
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公式マスコット「かもんちゃん」
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小郡市を鴨のまちとしてPRするために誕生した小郡市商工会の公式マスコットキャラクター「かもんちゃん」。(誕生日は2023年9月1日!)
小郡市商工会では、「かもんちゃん」をモチーフにした商品開発や鴨肉を使った新メニューの開発などさまざまな取組を行っています。かもんちゃん商品の販売
市内各所でかもんちゃんをモチーフにした商品が販売されています。小郡のお土産にいかがですか。購入の際は、事前に店舗までお問い合わせください。
商品名 販売者(市内) 販売場所 かもなか。 御菓子処やかべ
大板井1399-1
☎0942-72-3276
Instagram(外部リンク)御菓子処やかべ
ローソン小郡駅前店
DOCOREふくおか(博多マルイ内)かもんちゃんアイシングクッキー 焼菓子工房Galette
大保1512-3
☎0942-72-0305
Instagram(外部リンク)焼菓子工房Galette 小郡サブレ かもんちゃんプリントクッキー PATISSERIE MIGNON(パティスリー ミニョン)
祇園1-16-8 グリーンハウス1F
☎0942-73-2528
Instagram(外部リンク)PATISSERIE MIGNON ブレンド珈琲「かもの散歩道」
Morrow珈琲
横隈1664-10
☎0942-65-7238
Instagram(外部リンク)Morrow珈琲
ローソン小郡駅前店かもんちゃんパウンドケーキ 仄々ごはん
二森1724-18
☎0942-25-9083
Instagram(外部リンク)仄々ごはん 抹茶とアプリコットのグラノーラ Petite Poire(プティポワール)
三沢2684-4
Instagram(外部リンク)Petite Poire 福鴨んカレー 24FARM
小郡604-7
Instagram(外部リンク)ローソン小郡駅前店
DOCOREふくおか(博多マルイ内)
オンライン販売かもんちゃんに関する問い合わせ先
小郡市商工会(小郡市祇園一丁目6-2)
☎0942-72-4121
問合せ先
鴨のまちプロジェクト実行委員会事務局
〒838-0198 小郡市小郡255-1
電話 72-2111(内線142)
ファクス 72-5050
Eメール shoko@city.ogori.lg.jp
このページに関するお問い合わせ
小郡市役所 商工観光課 商工観光係(商工担当)
〒838-0198 小郡市小郡255番地1(南別館1階)
電話:0942-72-2111(代表) / ファクス:0942-72-5050
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