小郡市地域おこし協力隊
地域おこし協力隊とは、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住・定着を図ることで、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度です。
ここでは、小郡市で活動している地域おこし協力隊の活動を紹介します。
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笹月 将【青少年人材育成推進員】(令和5年4月~
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自己紹介
1995年生まれの元プラネタリウム解説員。2023年4月から小郡市の地域おこし協力隊として着任しました。
「七夕の里 小郡」という名前に惹かれて小郡に来てみると、県内トップクラスの大きさを誇る望遠鏡がある天文台の存在に驚き、天文活動を日頃から楽しむには適しているこの小郡市の良さをもっと知りたいと思いました。主に子ども向けの天文講座を年に数回実施しながら、月1回実施している市民観望会のスタッフとして星空案内を行っています。活動目的
今の子どもたちに、天文・科学の面白さ、奥深さを伝えることは非常に重要だと私は考えています。次世代を生きていく子どもたちが豊かに暮らしていくためには、しっかりとした人生観や世界観を構築する必要があります。そのためには多くの体験が必要です。実際の夜空で星座を探す星空観察などの自然体験や、ペットボトルロケットを作って飛ばす工作体験などを通じて、豊かな感受性や工夫する考え方を身に付けてもらいたいと思います。
小郡市は「七夕の里」の名前の通り、地域に七夕文化が根強く残っており、なおかつ生涯学習センターの「小郡七夕ドームみらい星」には口径40㎝の大型望遠鏡があります。このような文化的にも地域資源的にも素晴らしい環境で、小郡市の子どもたちに新たな天文活動体験の場を提供できればと考えています。
隊員コラム
「夏に見える星座」(星座解説、8月上旬、21時ごろを想定)
太陽が沈み、昼間の暑さが引いてくる夜の時間に空を見上げてみると星が輝いています。夏の夜空にはどのような星が輝いているのでしょうか。
まずは晴れた夏の夜に空を見上げてみてください。夜空の空高くに、夏の大三角が輝いています。小郡市と縁が深い七夕伝説にも関係があるこの星の並びは、街中からでも見つけることが出来るのでぜひ探してみてください。夜空に輝く3つの星を三角形の形に結んでみましょう。
次に、南の方角に目を向けるとさそり座という星座があります。アルファベットの「S」字に似たような形の星の並びを見つけてみましょう。「S」字の形のような形の星の並びの中にひときわ明るい赤い星があります。さそりの心臓部分で輝く「アンタレス」という星です。「アンタレス」の語源は「アンチ・アレス」(訳:火星に対抗するもの)だとされています。夜空で赤く輝く火星に負けないくらい赤く輝いていることからこの名前になったと言われています。火星が赤く見えるのは火星の表面が赤い土や石で覆われているからですが、アンタレスは惑星とは違って自ら輝いている恒星ですので、アンタレス自身が真っ赤な光を放っているのです。せっかくなら夏休みの期間を利用して、街明かりの光から遠く離れた場所で星を見るのも良いかもしれません。街明かりの影響が少ない山奥や高原、海などでは街中からでは見えない、淡い星の光も見る事が出来ます。そういった場所では、夏の大三角の真ん中を流れる天の川が見えるかもしれません。南の地平線から空高く、雲のような領域が伸びていたらそれが天の川です。
天の川を望遠鏡や双眼鏡で覗いてみると、たくさんの細かい星の集まりであることが分かります。この星の集まりを銀河と呼び、私たちが住む地球、そして太陽系もその一部です。銀河は約1000億個の星が集まっているため、地球から銀河の中心方向が見えやすくなる夏の時期には、このように地球から銀河の中心を天の川として見ることが出来るのです。私たち人類はこのとてつもなく広大な宇宙の中に住むちっぽけな存在であると同時に、唯一無二の存在でもあります。天の川を見上げながら、その意味を噛みしめて、宇宙の広がりに思いを馳せてみてはいかがでしょうか。