
今隈の天忍穂耳神社境内の大クスが、平成30年8月に落雷を受けて、樹木医の手当を受けるなどしてきていますが、樹勢が落ち心配な状態が続いています。
そんな中、今隈のみなさんが対応を考えるために、朝倉市に視察に行かれることとなり、同行いたしました。
樹齢1500年といわれ、全国8位の巨木、朝倉市山田の「隠れ家の森」。
平成3年の台風で大枝が折れ、樹勢が衰えたところを、平成18年から、開口部を塞ぎ、腐った部分を落とすなどの治療を行い、現在は青々とした葉を広げていました。
また、朝倉市杷木町の原鶴温泉にある「原鶴のクス」は、3年前に雷が落ちました。
今はほとんど枝葉を落されての治療を行っていますが、水を下から細々と吸い上げ、残された樹液でなんとか葉を出そうとしている状況です。
このクスは、川のそばにあり、管轄する国交省は伐採を地元に持ちかけたそうですが、かつて洪水時に流された人が木につかまり、命を助けてきたという歴史があります。
樹木医の原田先生は、そんなクスをなんとか再生させたいと考えています。
周りに新たな数本の木を植えて、伸ばしたところで、接ぎ木の技術により、樹勢を周りの木からバイパスさせることができないかという挑戦をしようとしています。
何年先になるかわからないという取り組みは、後進の樹木医に願いを託すプロジェクトにもなります。
人の寿命をはるかに超える命を持つ樹木、その命をつなぐことは、さまざまな歴史をつなぐことになります。
長い歳月の中、地域を見守ってきた今隈の大クスについて、地元のみなさんの気持ちに寄り添い対応を考えたいです。